CD-ROMになった月刊電脳倶楽部対応。というか専用電源ONでたちまち起動にする方法 編集部:舩本昇竜 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○電源ONでたちまち起動するCD-ROM版電脳倶楽部 基本的に、X68kでは「CD-ROMからのシステム起動」は出来ません。本体ROMを 取り替える等のゴーカイな技を駆使すれば、原理的に不可能ではないけれども、 現実的には非常に困難であります。ま、素直に、今のところ無理と考えて下さい。 逆に、FDとHDの2つ(MO等は、とりあえず除外)のデバイスは、電源ONでシ ステム起動出来ます。実際、「CD-ROM版電脳倶楽部起動ディスク」では、この特 徴を利用し、 1:FDから起動し、システムを起動 2:FD上でCD-ROMドライバを登録 3:カレントデバイスをCD-ROMに移し、CD-ROM上の電脳倶楽部を実行 という手順を自動的に行うよう設定することで、CD-ROM上の電脳倶楽部が簡単に 実行出来るようになっています。 だったら、同じシステム起動が可能なHDを使い 1:HDから起動し、システムを起動 2:HD上でCD-ROMドライバを登録 3:カレントデバイスをCD-ROMに移し、CD-ROM上の電脳倶楽部を実行 って、出来るんじゃないか? と思いませんか。 ○具体的なやりかた 実際、私が普段使用しているシステムで「CD-ROM版月刊電脳倶楽部起動HD」を デッチあげてみたので、その行程と前提条件等々をつらつらと並べてみましょう。 マシンはX68030。つまり、HDはSCSIで接続されています。 @>diskbench X680x0 DISK benchmark version 0.44 by bisco Original program: ASPI SCSI benchmark test V0.4 copyright(c) by TsuruZoh Tachibanaya, Sep.02,1994 ID0:QUANTUM TRB850S 0403 ←HD ID1:NEC D3847 0307 ID2:MATSHITALF-3200 A113 Removable ID3:DELTIS MOS321 3.70 Removable ID4:---------------------------- ID5:---------------------------- ID6:PIONEER CD-ROM DR-124X 1.04 Removable ←CD-ROM ID7:SHARP X68030 6414 Other-Port ID0のSCSI-HDの容量は850MB。HumanV3のformat.x を使い、121M,121M,500Mといった3つの領域に分けて います。また、これら3つの領域全てに、システム転送が行われています。 よって、普段の環境において、ID0のHDは3つのドライブ名を持っています。 @>drive A: 2HD(1MB) ユニット番号・・・・ 0 B: 2HD(1MB) ユニット番号・・・・ 1 C: ハードディスク(SCSI) ユニット番号・・・・ 0 SCSI-ID0・1つめ D: ハードディスク(SCSI) ユニット番号・・・・ 1 SCSI-ID0・2つめ E: ハードディスク(SCSI) ユニット番号・・・・ 2 SCSI-ID0・3つめ : : : M: CDROM(SCSI) ユニット番号・・・・ 0 ところで、switch.x等でも設定する項目に、「BOOT」の項目があり、多くの人 が「SCSI0」になっていると思います。では、SCSI-ID0のHDを3つの領域に分け た場合、いったいどの領域が本当のシステム起動に使われる領域になるのでしょ うか? 答は、HELPキーをおしながらシステムを起動 すると見えてきます。 X68000 SCSI DISK IPL MENU [7m( 1) Human68k ( 2) Human68k ( 3) Human68k こんな、画面になったと思います。上から確保した領域が順番に並んでおり、メニューで選択した領域が、次回からシステム起動 の領域として使用されます(デフォルトは一番上の領域)。 話を元に戻すと、普段、私は一番上の領域しか使っていないので、下の2つの 領域が、余っていることになります。それならと、上から2番目の領域、ドライ ブ名でいうところの、Dドライブを「CD-ROM版月刊電脳倶楽部起動用ドライブ」 とすることにしました。 では、早速作業に入りましょう。といっても、あとは、ファイルの上書きに気を付けて、 CD-ROM版月刊電脳倶楽部起動FDの内容をドライブDにcopyallするだけ。 @>copyall A:*.* D: 作業は、基本的にこれでおしまい。それでは、実際にCD-ROM版電脳倶楽部をHD から立ち上げてみましょう。 1:CD-ROMドライブにCD-ROM版月刊電脳倶楽部をセット。 2:HELPキーを押しながらシステムを起動。 カーソルキーで2番目の領域を起動領域に選択。 3:HDが立ち上がり、システムを起動 4:HD上でCD-ROMドライバを登録 5:カレントデバイスをCD-ROMに移し、CD-ROM上の電脳倶楽部を実行 無事、電脳倶楽部が実行されたら、一度本体の電源を落としてください。そし て、「HELPキーを押さないで」起動してみて下さい。どうです? 電源ONで、 CD-ROM上の電脳倶楽部が実行されたでしょう。 …とまぁ、こんな具合で、ひとまずは、こんなことも出来たりもするのですよ。 実は。 ○ポイントとトラブルシューティング 各自で環境はいろいろと違うでしょうが、「具体的なやりかた」において、倍 角文字であらわした箇所か全てクリアされていれば、さした問題も起こらず簡単 に「起動HD」は、実現出来るでしょう。 それでも、考えられるいくつかのトラブルについての対処について、触れてみ ましょう。 ・HD起動時に「Human.sysが見つかりません」もしくは、Human.sys起動中に白 窓エラーが発生する。 →おそらく、Human.sysが連続したFATに転送されていない為に発生す るエラーです。 起動に使うドライブにsys.xを使ってHuman.sys(V3)を転送しなおして ください。この時「~は連続したFATに転送されていません」とメッ セージが出るようであれば、regreshg.x等を使い、セクタやFATの並 びを整頓することで、問題は解決します。 ・TITLE.SYSは表示されるが、その後、コマンドプロンプトに戻ってしまう。 →いわゆる「CD-ROMの暖気運転に失敗」のケースと考えられます。 つまり、HDの起動が速すぎ、CD-ROMの使用準備が整わない。もしくは、 CD-ROMが使えるようになるまでに時間がかかる。のどちらかと考えられ ます。 このような場合、起動HDにあるAUTOEXEC.BATに以下のような行を追加す ることで対処することが出来ます。 if %CDROM% == _ GOTO L1 '▼ CD-ROM があった '▼ SUSIE.x を登録 \SYS\SUSIE.x -ID%CDROM% @: > NUL \BIN\KT WAIT 50 ←この行を追加 '▼ カレントドライブを CD-ROM へ \BIN\CURCD.x > NUL if exitcode 0 goto EXEC '▼ CURCD でエラーを返したら失敗 goto ERRMES ちなみに、「50」は5秒をあらわし、CD-ROMドライブの種類によっては、 適切な値が増減する場合があります。 他にも、各自のローカルな環境の違いによる、様々な問題が発生する可能性も 十分に考えられます。いずれにしても、HDにまつわるトラブルのリカバーはそれ なりに難易度が高いということは、十分キモに命じる必要があるでしょう。 ○やはり、「一般的な注意」 ここで紹介した方法は、あくまでも「こんなことも出来る」事の紹介であり、 編集部が推奨するものでもありません。くれくれも勘違いしないよう、お願いし ますね。 くどいようですが、すべては、各自の責任において実行してください。という よりも、バックアップ手段や、OSやHDに関する「ちゃんとした知識がある」自信 の無い人は、素直に、諦めてた方がいいでしょう。なんだかんだいっても、相手 はHDです。本当の最悪の場合、HDがオシャカになります。そこまでいかなくとも、 大切なファイルを誤って削除などしたり、なんかの拍子で間違って、自分の普段 の環境すら立ち上がらないようになっては、泣くに泣けませんからね。 しかし、「電源ON」でCD-ROM版の月刊電脳倶楽部が立ち上がる様は、なかな かどうして、これまた(以下略)。 (EOF)